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研究内容

私たちの研究室では、細胞の記憶装置であるエピジェネティクスが、個体の記憶装置である脳で果たす役割の解明に取り組んでいます。

この研究は加齢やストレス、精神疾患などによる脳の機能変化のメカニズムの理解に寄与することが期待されます。

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 私たちの遺伝情報はゲノムDNAに書き込まれています。哺乳類では30億塩基対もあるDNAの中から必要な遺伝情報を適切に読み取るために、私たちの細胞の中では特別な仕組みが働いており、この1つがエピジェネティクスによる制御です。このエピジェネティクス制御では、DNAやDNAがまきつくヒストンなどに施されるメチル化やアセチル化といった化学修飾がいわば「しおり」として機能し、その細胞で必要な遺伝子のみが読み取られ発現する基盤のメカニズムとなっています。

 このエピジェネティクスによる「しおり」は、細胞が過去に受けた刺激や経験に応じて付与されます。すなわち、エピジェネティクスは細胞の記憶装置として機能します。では、細胞の記憶装置であるエピジェネティクスは、個体の記憶装置である脳においてどのような役割を果たしているのでしょうか?

 私たちの研究室では、最新のゲノム解析に必要な生化学、分子生物学、バイオインフォマティクス技術と、脳機能の解析に必要な遺伝学、神経科学技術を組み合わせることにより、エピジェネティクス解析から脳の不思議を理解することに取り組んでいます。そしてこの研究の将来には、加齢やストレス、精神疾患などによる脳機能の変化が理解できる世界を目指しています。

<研究内容紹介>

脳の神経細胞の中心器官、加齢で形状いびつに(日本経済新聞電子版 2023年7月31日)

ニューロンの核は老化するとシワシワになり、かたくなる

(東京大学プレスリリース 2023年7月25日)

セコム科学技術振興財団 研究内容インタビュー(2023年6月23日)

クロマチンの「かたち」から見る脳の過去と未来 生命科学連携推進協議会インタビュー

(2022年10月7日)

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